飲食店の店長というと、
- 接客が上手い
- スタッフに慕われている
- 現場をよく知っている
といったイメージを持つ方も多いでしょう。
もちろんどれも重要です。
しかし、それだけでは店舗経営は成り立ちません。
実際に私自身、飲食業界で12年以上、店長・製造責任者・エリアマネージャーとして複数店舗を見てきましたが、
業績が悪化する店舗にはある共通点がありました。
それは、店長が数字を見ていないことです。
この記事では、数字を見ない店長が店舗を壊してしまう理由と、本当に見るべき指標について解説します。
店長の仕事は「現場管理」だけではない

多くの店長は、
- シフト作成
- 接客
- 教育
- クレーム対応
に追われています。
そのため、数字を見る時間が後回しになりがちです。
しかし、店長は店舗の経営者に最も近い存在になります。
数字を把握せずに店舗を運営することは、
地図を見ずに目的地を目指すようなものです。
数字を見ない店長が危険な理由

店長が数字を見ないと危険な理由について、以下にまとめます。
問題に気づくのが遅れる
数字は店舗の健康診断です。
例えば、
- 客数減少
- 客単価低下
- 人件費率上昇
は数字を見ることで初めて分かります。
感覚だけでは気づけません。
原因分析ができない
売上が下がったとき、
数字を見ない店長は「なんとなく景気が悪い」で終わります。
しかし数字を見る店長は、
- 客数減少なのか
- 客単価低下なのか
- リピート率低下なのか
店舗状況を分析し、何が原因なのかを突き止めた上で、
改善行動まで起こしているのが特徴です。
改善策が感覚になる
数字がないと、改善も感覚になります。
例えば、
という理由でシフトを削る。
結果として、サービス品質が低下し、売上も落ちることも少なくありません。
店舗を壊す典型的なパターン

数字を見ない店長が、店舗を壊すパターンについて、順番に解説していきます。
売上だけ見ている
最も多い失敗です。
売上が伸びているから安心している。
しかし、実際には…
- 原価率上昇
- 人件費の圧迫
FL(原価・人件費)コストの分析ができておらず、
利益が減っていることがあります。
忙しさを成果だと思っている
忙しい店舗ほど危険です。
スタッフ全員が走り回っていても、
利益が出ているとは限りません。
重要なのは、忙しさではなく生産性です。
店長経験だけに頼る
経験は重要です。
しかし、経験だけで経営判断をすると限界があります。
俗人化し次の店長に変わった時などに、店舗が崩れてしまう危険性も高いです。
数字は経験を補完する武器になります。
店長が見るべき数字

以下、店長が見るべき店舗の数値についてです。
| 項目 | 確認する内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 売上 | 日別・週別・月別の売上推移 | 売上目標の達成状況を把握する |
| 客数 | 来店客数・前年比・前月比 | 集客状況や来店動向を確認する |
| 客単価 | 1人あたりの平均利用金額 | 客単価アップによる利益改善を図る |
| 人件費率 | 売上に対する人件費の割合 | 人員配置やシフトの適正化を行う |
| 原価率 | 売上に対する食材原価の割合 | 食材ロスや発注精度を改善する |
| FLコスト | 原価+人件費の合計割合 | 店舗の利益体質を把握する |
| 営業利益 | 売上から経費を差し引いた利益 | 店舗が利益を出せているか確認する |
| 回転率 | 席数に対するお客様の回転数 | 混雑状況や席効率を確認する |
| 平均滞在時間 | お客様の平均利用時間 | 回転率やオペレーション改善に活かす |
| クレーム件数 | 発生件数と内容 | 品質・接客・オペレーション改善につなげる |
| 離職率 | スタッフの退職状況 | 職場環境や教育体制の改善を行う |
| 労働時間 | 残業時間・総労働時間 | 労務管理と人件費の適正化を図る |
これらを分析し、行動に移せる店長が増えれば増えるほど、
安定した組織づくりが可能です。
繁盛店の店長が行っていること

成果を出している店長ほど、
毎日の数字を確認しています。
例えば、朝出勤したら…
- 前日売上
- 客数
- 客単価
などを確認する。
また週に一度は、
- 人件費率
- 原価率
を確認しながら、シフト組みや発注量の調整を行う。
こうした習慣がある店長は優秀です。
▶飲食店の教育を仕組み化する方法について。

POSレジが店長の武器になる理由

昔は数字集計に時間がかかりました。
しかし現在は、
POSレジによって、
- 商品別売上
- 時間帯別売上
- 客数推移
などを簡単に確認できます。
現在では、費用もほぼ掛からずに導入は可能なものが多いです。
つまり、数字を見る環境は整っています。
▶POSレジ導入の注意点について。

店長経験者が感じる本当の差

これまで多くの店長を見てきましたが、
成果を出す店長は特別な人ではありません。
共通しているのは、「数字と現場を両方見ている」ことです。
- 現場だけを見る店長でもダメ。
- 数字だけを見る店長でもダメ。
両方を見て初めて正しい判断ができます。
▶以下、優秀な店長が育たない理由についてです。

まとめ
数字を見ない店長が危険なのは、
- 問題の発見が遅れる
- 改善が感覚的になる
結果として店舗を悪化させてしまうからです。
- 客数
- 客単価
- 人件費率
- 原価率
- FLコスト
上記については定期的に確認する必要があります。
これからの飲食店経営では、
現場力だけでなく数字を見る力も重要です。
繁盛店の店長ほど、感覚ではなく数字を活用しながら店舗改善を続けています。
数字を見る習慣こそが、利益の残る強い店舗づくりへの第一歩なのです。



「人件費が高い気がする」