飲食店で「責任者」を育てるために必要な3つの視点|店長候補が成長する組織の作り方

飲食店で責任者を育てるために必要な考え方と育成方法

「仕事はできるのに責任者になると結果が出ない」

「店長候補を育てたいがなかなか育たない」

「現場のエースが管理職になると苦戦する」

飲食店ではよくある悩みです。

実際、接客や調理が得意な人が必ずしも良い店長や責任者になるとは限りません。

なぜなら…

責任者に求められる能力と現場スタッフに求められる能力は大きく異なるからです。

私は飲食業界で12年以上、店長・製造責任者・エリアマネージャーとして店舗運営や人材育成に携わってきました。

その経験から感じるのは、

責任者が育つ会社には共通する育成視点があるということです。

この記事では、飲食店で責任者を育てるために必要な3つの視点について解説します。

なぜ責任者が育たないのか

多くの企業では、「仕事ができる人」を責任者候補に選びます。

もちろん間違いではありません。

しかし、責任者は自分が成果を出すだけでは不十分です。

チーム全体で成果を出す必要があります。

ここで多くの人が壁にぶつかります。

視点① 自分目線から店舗目線へ変える

責任者になるために最初に必要なのが視点の変化です。

【一般スタッフ】
➥自分の担当業務を完了させることが求められます。

【責任者】
➥店舗全体を見なければなりません。

スタッフの考え方責任者(店長)の考え方
自分の仕事を終わらせる店舗全体がスムーズに回っているかを見る
指示されたことを正確に行う他のスタッフが困っていないか気を配る
自分の持ち場に集中する店舗全体の状況を把握し、人員配置を調整する
与えられた業務をこなす売上目標を達成するために行動する
目の前のお客様を対応するお客様全体の満足度を高める
問題があれば責任者へ報告する問題を解決し、再発防止まで考える

この視点を持てるかどうかが大きな分岐点になります。

視点② 作業管理から人材育成へ変える

現場経験が長い人ほど、自分でやった方が早いと考えがちです。

しかし責任者になると、自分がやることよりも…
人を育てることが重要になります。

【よくある失敗】

  • 自分で全部やる
  • 任せられない
  • 指導せずに代わりにやる

これでは組織として成長しません。

本来、責任者として店舗を任される立場になれば、

これらを考えながら行動しなければなりません。

視点③ 感覚から数字へ変える

責任者になると、感覚だけでは判断できません。

例えば、

  • 売上
  • 客数
  • 客単価
  • 原価率
  • 人件費率

などを理解する必要があります。

現場でよくある言葉

「今日は忙しかった」

しかし数字を見ると、客数は普段と変わらないこともあります。

責任者は感覚ではなくデータで判断し、成功事例を次に生かしていくことが求められます。

責任者が育つ飲食店の特徴

責任者が育つ飲食店の特徴について、以下にまとめます。

小さな責任を与えている

いきなり店長にはしません。

例えば、

  1. 新人教育担当
  2. 発注担当
  3. シフト作成補助

などから経験させています。

数字教育を行っている

急に「明日から責任者として頑張って」と、
数字も見るように指示したところでできません。

早い段階から数字に触れさせて、段階を踏みながら教育しています。

振り返り文化がある

失敗を責める文化であれば、近年では離職に繋がりやすく危険です。

失敗を振り返り、改善につなげる指導をするべきです。

面談を育成に活用している

面談を評価だけで終わらせません。

成長支援の場にし、育成の糧にしています。

エリアマネージャー経験者が感じる本当の違い

これまで多くの店長候補を見てきましたが、

育つ人と育たない人の違いは能力ではありません。

最も大きいのは、視点が変わるかどうかです。

「自分が頑張る人」から…

「チームで成果を出す人」へ変われる人は、責任者として成長します。

逆に、いつまでもプレイヤーのままでは責任者にはなれません。

matsu
matsu

最近では役職が付くことに対して「責任を負いたくない…」と逃げる方も多い印象です。

いつまでたっても責任者や店長が居ない、アルバイトで回すしかないという店舗も少なくはありません。

私もそういったお店を多々見てきましたが、
社員→店長→エリアマネージャーなどのキャリアアップを“根本的に仕組み化”することが、一つの解決策だと感じています。

▶おすすめ記事①
仕組み化して解決している飲食店について。

人材不足を「仕組み」で解決している飲食店の考え方|採用だけに頼らない店舗運営とは
同じ売上規模で、 ■10人いないと回らない店舗 ■8人でも回せる店舗 では経営の安定性が大きく違います。 本当に必要なのは、「人を増やすこと」ではなく、 「少ない人数でも成果が出る仕組み」を作ることです。

▶おすすめ記事②
現場業務を仕組み化するメリットと方法について。

飲食店の教育を仕組み化する方法|店長が楽になる店舗づくり
教育を仕組み化する5つのステップについて、以下にまとめていきます。 STEP1 教える内容をすべて書き出す まずは、スタッフや責任者など、 “業務をこなすうえで覚えるべき仕事”をまとめましょう。 STEP2 業務をマニュアル化する 教育内容を書き出したら、 次は誰でも同じように教えられる状態を作ります。

飲食店経営において責任者育成が重要な理由

人手不足が続く今、

採用だけで店舗を成長させることは難しくなっています。

そのため、今いる人材を責任者として育てることが重要です。

責任者が育てば、

  1. スタッフが育つ
  2. 店舗が安定する
  3. 強い組織になる

という好循環が生まれます。

▶以下、店長が育たない理由についてまとめた記事です。

なぜ店長が育たないのか?飲食店がやりがちな5つのNG習慣を解説
成果を出している企業は、継続的に優秀な店長を輩出しています。 一方で、社員と同じレベルの店長しかいない企業もあります。 その差は、育成の仕組みにあります。 NG習慣① 店長の仕事を教えていない 例えば、優秀なスタッフを店長に昇格させたものの、 「管理業務を教えていない状態」などがあります。

まとめ

飲食店で責任者を育てるためには、

次の3つの視点が欠かせません。

  • 自分目線から店舗目線へ
  • 作業管理から人材育成へ
  • 感覚から数字管理へ

この3つの視点を持てる人材こそが、

将来の店長やエリアマネージャー候補になります。

責任者育成とは役職を与えることではありません。

考え方を変えることです。

その積み重ねが、強い店舗と強い組織を作る土台になるのです。

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