飲食店の人手不足はなぜ起きる?原因と解決策を現場経験から解説

飲食店の人手不足の原因と見直すべき改善策

「求人を出しても応募が来ない。」

「採用してもすぐ辞める。」

「店長が疲弊している。」

現在、多くの飲食店が人手不足に悩んでいます。

しかし、実際に現場を見てきた中で感じるのは、人手不足そのものが問題ではないということです。

本当の問題は、人が辞める環境や、人が少なくても店舗が回る仕組みが整っていないことにあります。

実際に、同じエリア・同じ時給でも人が定着している店舗があります。

その違いは「採用力」ではなく、店舗運営の「仕組み化」です。

この記事では、飲食店の人手不足が起こる本当の原因と、現場で実践できる改善方法を詳しく解説します。

飲食店で人手不足が深刻化している理由

飲食店の人手不足には複数の要因があります。

代表的なのは次の5つです。

原因内容
少子高齢化働く人口そのものが減っている
他業種との競争物流・小売などへ人材が流れている
長時間労働のイメージ応募を避けられやすい
教育負担が大きい新人が定着しない
店長への負担集中離職につながる

これらは全国の飲食店が共通して抱える課題ですが、

実際にはこれだけでは説明できません。

人手不足は「採用不足」ではなく「離職」が原因

求人媒体を変えても「改善しない店舗」があります。

一方で、大きな求人広告を出さなくても、
「スタッフが定着する店舗」もあります。

採用を増やしても…

1人採用して、1人辞める

これでは永遠に人手不足です。

つまり、採用よりも辞めない店舗づくりの方が重要になります。

人が辞める飲食店の共通点

実際に多くの店舗を見てきましたが、
人手不足を解消できない店舗には共通する特徴があります。

「採用できないこと」が原因ではなく、
店舗運営そのものに課題があるケースが少なくありません。

教育が店長任せ

教育方法が属人化してしまっていると、

店長や教える人よって内容が変わってしまいます。

結果、新人は不安になり、戦力になる前に退職してしまいます。

忙しさが人によって偏る

仕事ができるスタッフだけが忙しい。

新人は何をしていいか分からない。

この状態では職場への不満が生まれます。

評価基準が曖昧

頑張っても評価されない。

何をすれば昇給するのか分からない。

このような店舗ではモチベーションが続きません。

店舗の雰囲気が悪い

これが本質といってもいいぐらいですが、
離職率が高い店舗は、お店の空気感が悪いです。

  1. 「挨拶や声掛けが減っている」
  2. 「新人を教える余裕がない」
  3. 「“ありがとう”が飛び交わない」
  4. 「愚痴ばかりが飛び交う」
  5. 「お客様の来店に気づかない」

上記の場合は要注意です。

matsu
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数多くの店舗を管理してきましたが、臨店した際「あっ…ここやばいな」と感じる空気感の店舗があります。

コミュニケーションも無く、ただ作業に没頭している様子や、お客様より目の前の作業を優先してしまうお店になっている状況は危険です。

これらはスタッフがやってくれたことに対して、認める承認文化のない店舗になります。

逆に、笑顔が多くお客様の来店にもすぐ気が付き、スタッフが自主的かつ生き生きと働いているお店は離職率が低いです。

人手不足でも回る店舗が実践していること

現場で成果を出している店舗には共通点があります。

①業務を標準化している

誰でも同じ品質で仕事ができるよう、

  • チェックリスト
  • 動画マニュアル
  • 写真付きマニュアル

などを整備しています。

②教育を仕組み化している

新人教育を「店長の経験」ではなく、

“教育の仕組み化”をしています。

教育担当が変わっても品質が変わりません。

③数字で人員配置を考える

「忙しい時間帯だけ人数を増やそう」

「暇な時間帯は最小人数でシフト組もう」

などの感覚ではなく、POSから抽出できる以下のような
“数値データ”を見て人員配置をしています。

  • 客数
  • 時間帯売上
  • 人時売上 など。

④店長が育成に時間を使う

店長は一番働く人ではありません。

一番成果を出せるチームを作る人です。

現場に入り続けるのではなく、

  1. 店舗教育マニュアル整備
  2. 店舗運営の改善
  3. 数値分析
  4. 面談

などを中心に時間を使っています。

採用だけでは解決しない理由

多くの店舗では、求人媒体を変更したり、
時給を上げたりします。

もちろん一定の効果はありますが、

  • 教育が変わらない
  • 離職率が高い
  • 店長が疲弊している

などあれば、数か月後には同じ問題が起こります。

採用は入口であり、定着こそが本当の改善です。

DXは人を減らすためではなく、人を活かすため

DXというと、人件費削減だけをイメージする方もいます。

  • モバイルオーダー
  • セルフレジ
  • POS分析
  • シフト管理
  • 動画マニュアル

これらはスタッフが働きやすくなるための仕組みです。

単純作業を減らし、接客や教育など、
人にしかできない仕事へ時間を使えるようになります。

人手不足を改善する5つのステップ

人手不足を改善したい場合、以下のステップを進め“仕組み化”することで解決できる場合があります。

STEP内容
① 現場を観察する「人が足りない」のではなく、何が問題かを知る
② 無駄をなくすムダな作業を減らし、生産性を上げる
③ 教育を標準化する教える人による差をなくす
④ 数字を活用する客数・人時売上をもとに改善する
⑤ 店長の時間をつくる現場ではなく、人を育てる仕事に集中する

この順番で改善することで、
採用だけに頼らない店舗運営が実現できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 人手不足なら時給を上げるべきですか?

時給アップは応募増加につながる可能性がありますが、
教育や職場環境が改善されなければ定着率は上がりません。

Q. 小規模店舗でもDXは必要ですか?

必要です。

無料または低コストで導入できるクラウドサービスも多く、予約管理やシフト作成、動画マニュアルなど、小規模店舗でも効果を期待できます。

Q. 一番最初に改善するべきことは何ですか?

現場観察です。

忙しい原因が人手不足なのか、オペレーションなのかを把握せずに採用を進めても、根本的な改善にはつながりません。

まとめ

飲食店の人手不足は、採用人数だけでは解決できません。

本当に重要なのは、

  • 人が辞めにくい職場をつくること
  • 教育を仕組み化すること
  • 数字を活用して適切な人員配置を行うこと
  • 店長が育成と改善に時間を使える環境を整えること

これらを継続することで、
人手不足の影響を受けにくい店舗運営が実現できます。

「人が足りないから忙しい」のではなく、

「仕組みがないから人が足りなく感じる」

というケースは少なくありません。

まずは現場を見直し、小さな改善を積み重ねることが、
持続的な店舗運営への第一歩です。

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