店長とエリアマネージャーの違いとは?飲食店で役割分担が曖昧になる理由を解説

店長とエリアマネージャーの違いと役割分担を解説

飲食店の組織運営において、

「店長とエリアマネージャーの役割が曖昧になっている」

というケースは少なくありません。

例えば、

  • エリアマネージャーが店舗運営に細かく口を出している
  • 店長が本来やるべき業務をエリアマネージャーが代わりにやっている
  • 店長が複数店舗の課題まで抱えている

といった状況です。

一見すると助け合っているようにも見えますが、

実はこうした状態が続くと、
組織の成長を妨げる原因になります。

私は飲食業界で12年以上、店長・製造責任者・エリアマネージャーとして複数店舗の運営や人材育成に携わってきました。

その経験から言えるのは、

店長とエリアマネージャーの役割が明確な会社ほど、
組織が強い。

ということです。

この記事では、店長とエリアマネージャーの違い、役割が混同される理由、そして改善方法について解説します。

店長とエリアマネージャーの役割の違い

まずは本来の役割を整理しておきましょう。

項目店長エリアマネージャー
管理範囲1店舗複数店舗
主な役割店舗運営を円滑に行う担当エリア全体の業績を向上させる
見る視点店舗全体エリア全体・会社全体
売上管理自店舗の売上・利益を管理各店舗の売上・利益を分析・改善
人材育成スタッフ・副店長・店長候補を育成店長を育成し、組織力を高める
人員配置店舗内のシフト・配置を調整店舗間で人員を最適化する
オペレーション日々の営業品質を維持・改善各店舗の運営基準を統一する
数字管理客数・客単価・人件費などを管理店舗ごとの数値を比較・分析し改善する
問題解決店舗内で発生した問題を解決店舗だけでは解決できない課題を支援する
本部との連携本部の方針を店舗へ浸透させる本部と現場をつなぎ、改善提案を行う
判断基準「この店舗にとって最適か」「エリア全体・会社にとって最適か」
最終目標強い店舗をつくる強い店長を育て、強いエリアをつくる

店長の役割

店長は、1店舗の経営責任者です。

主な業務については以下のようなもの。

  1. 売上管理
  2. 人件費管理
  3. 教育
  4. シフト作成
  5. 店舗改善
  6. 接客品質管理

店長は、担当店舗の成果を最大化することが仕事です。

エリアマネージャーの役割

エリアマネージャーは、複数店舗を成長させる責任者です。

主な業務については以下のようなもの。

  1. 店長育成
  2. 店舗間格差の是正
  3. 数値分析
  4. 組織改善
  5. 人材配置

つまり、店舗ではなく組織全体を見る立場です。

役割が混同する飲食店、5つの理由について

店長とエリアマネージャーの役割が混同する飲食店では、
以下のような事柄があげられます。

理由① 店長が育っていない

最も多い原因です。

店長が数字管理やマネジメントを十分にできない場合、

エリアマネージャーが現場業務に介入せざるを得なくなります。

例えば、

  • シフト作成
  • 人件費管理
  • クレーム対応

までエリアマネージャーが行うケースです。

理由② エリアマネージャーがプレイヤー化している

店舗が人手不足になると、

エリアマネージャーが現場応援に入ることがあります。

もちろん短期的には必要です。

しかし、それが常態化すると本来の業務ができなくなります。

理由③ 役割定義が曖昧

会社として、店長とエリアマネージャーの

役割を明文化していないケースも少なくありません。

その結果、問題が起きるたびに…

「誰がやるのか。」「あの人がやってるからいいか。」

など曖昧になります。

理由④ 店長に権限がない

責任だけ与えられ、決定権がない状態です。

例えば…

  • 採用権限がない
  • シフト調整権限がない
  • 改善提案が通らない

こういった状況では、店長は育ちません。

理由⑤ エリアマネージャーが成果を奪ってしまう

良かれと思って手伝いすぎるケースです。

問題を代わりに解決してしまうため、
店長が成長する機会を失います。

役割が混同すると起きる問題
➥店長が育たない

エリアマネージャーが何でもやると、

店長は「判断力」や「経営感覚」を身につけられません。

混同するとエリアマネージャーが忙しくなる

本来やるべき以下の業務、

  1. 店長育成
  2. 組織改善
  3. 数値分析

これらに注力する時間がなくなります。

また“組織が人に依存する状況”になってしまうため、

多店舗展開できなくなるのもデメリットです。

新規出店時に人材不足の状況が繰り返されると、
組織として崩壊します。

強い会社は何が違うのか

成果を出している企業は、

店長とエリアマネージャーの役割が明確です。

【店長は店舗経営者】
売上や人材育成に責任を持ちます。

【エリアマネージャーは店長育成者】
店舗運営ではなく、店長を成長させることに時間を使います。

また感覚ではなく、数字でしっかりと管理ができています。

  • 売上
  • 人件費率
  • 原価率
  • 定着率

これらを数値化して考え、
店舗の粗に対して“改善行動の指示と実行の役割“も明確です。

▶数字を見ない店長のお店が失敗する理由について。

なぜ数字を見ない店長の店は失敗するのか?繁盛店との決定的な違い
数字を見ない店長が危険なのは、 問題の発見が遅れ、 改善が感覚的になり、 結果として店舗を悪化させてしまうからです。 特に、 客数 客単価 人件費率 原価率 FLコスト は定期的に確認する必要があります。

現場経験者が感じる本当の課題

人手不足が深刻化している飲食店では、
エリアマネージャーが店長の代わりを担うことも多いです。

しかし、それでは組織は成長しません。

本当に重要なのは、問題を解決することではなく、

店長が問題を解決できるようになることです。

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エリアマネージャーの価値は
✕「店舗を回すこと」ではなく、
○「店舗を任せられる人材を育てること」
にあります。

▶店長が育たない理由と改善方法について。

なぜ店長が育たないのか?飲食店がやりがちな5つのNG習慣を解説
成果を出している企業は、継続的に優秀な店長を輩出しています。 一方で、社員と同じレベルの店長しかいない企業もあります。 その差は、育成の仕組みにあります。 NG習慣① 店長の仕事を教えていない 例えば、優秀なスタッフを店長に昇格させたものの、 「管理業務を教えていない状態」などがあります。

まとめ

飲食店で、店長とエリアマネージャーの役割が混同される理由には、

  • 店長育成不足
  • 人手不足
  • 権限不足
  • 役割定義不足

などがあります。

しかし、役割が曖昧な状態では、

店長も育たず、エリアマネージャーも疲弊します。

成長する組織を作るためには、

  • 店長は店舗経営者として
  • エリアマネージャーは店長育成者として

それぞれの役割を明確にすることが重要です。

その積み重ねが、多店舗展開や組織成長を支える強い飲食企業づくりにつながるのです。

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