「人手不足だからモバイルオーダーを導入したい。」
「注文ミスを減らしたい。」
「人件費を下げたい。」
近年、多くの飲食店でモバイルオーダーの導入が進んでいます。しかし、実際の現場では…
- 「導入したのに忙しくなった」
- 「スタッフから不満が出た」
- 「思ったほど人件費が下がらない」
というケースも少なくありません。
私は飲食業界で12年以上、店舗運営や管理職を経験してきましたが、モバイルオーダーは「入れれば成功するシステム」ではなく、
「店の業態やオペレーションに合えば強力な武器、合わなければ現場を混乱させるツール」
だと感じています。
- モバイルオーダーとは何か
- 導入するメリット
- 導入前に知っておくべきデメリット
- 向いている店・向かない店
この記事では上記について、現場目線で詳しく解説します。
モバイルオーダーとは?

モバイルオーダーとは、お客様がスマートフォンやタブレットを使い、注文を直接行う仕組みです。
主に次の3種類があります。
① テーブルオーダー型
席にあるQRコードを読み取り、スマホから注文するタイプ。
居酒屋や焼肉店で多く採用されています。
② 店外注文型
来店前に注文・決済を済ませるタイプ。
カフェや洋菓子店、テイクアウト業態で増えています。
③ セルフオーダー端末型
店内に設置された端末で注文するタイプ。
ファストフード店などでよく見られます。
モバイルオーダーのメリット

① 注文ミスが減る
スタッフが聞き間違えることがなくなります。
- トッピングが多い
- ドリンクの種類が多い
- メニュー数が多い
上記のような店舗では、導入後の効果を感じやすいでしょう。
② 少人数営業がしやすい
ホールスタッフが注文を取りに行く回数が減るため、配膳や接客に集中できます。

実際、私が現場で感じていたのは、忙しい時間帯ほど、「注文を取る時間」が大きな負担になっていることです。
業態にもよりますが、実際カフェ業態で導入した店舗では、顧客満足度がほぼ下がらずに、人件費率が2~2.5%削減できた経験もあります。
モバイルオーダーがあるだけで、オペレーション上の負担軽減と、ピーク時の動きが円滑に進めることができます。
③ 客単価アップにつながることもある
- おすすめ商品
- セットメニュー
- トッピング 等
スマホ画面でクロスセル(セット売り)、アップセル(追加注文)を表示が可能です。
スタッフの接客で追加注文を促すのではなく、モバイルオーダー内に組み込み、オペレーション設計が可能になります。
モバイルオーダーのデメリット

ここは導入前に必ず知っておいてほしい部分です。
① ホールスタッフが不要になるわけではない
「モバイルオーダー=人件費削減」と思われがちですが、
現実はそう単純ではありません。
- 配膳
- バッシング
- 会計案内
- お客様対応
業態によっては席の案内などの省ける部分を除いて、
上記の業務はなくなるわけではありません。
特に高単価店では、接客品質が売上に直結するため、
スタッフを減らすのは危険です。
② 高齢のお客様が困ることがある
高齢のお客様が多いお店では、スマホ注文に抵抗を感じる方もいます。
現場では、お客様から「注文の仕方が分からない」という声は珍しくありません。
モバイルオーダーに慣れていない方が多いお店であれば、スタッフが説明に追われ、余計に時間がかかるケースもあります。
③ メニュー設計が悪いと逆に売上が落ちる
これは意外と知られていませんが、紙のメニューでは売れていた商品が、スマホ画面では埋もれてしまうことがあります。
- 人気商品が見つけにくい
- カテゴリが分かりづらい
- 写真が少ない
こうした状態では、お客様は注文を諦め「客単価が下がる」こともあります。
現場経験から感じる「導入して成功する店」

私の経験上ですが、モバイルオーダーと相性が良い業態と、
検討が必要な業態は明確に分かれると感じています。
| 業態 | おすすめ度 |
|---|---|
| 居酒屋 | ◎ |
| 焼肉店 | ◎ |
| カフェ | ◎ |
| ラーメン店 | ○ |
| ファストフード | ◎ |
| 洋菓子店 | ○ |
| 高級レストラン | △ |
| 喫茶店 | △ |
モバイルオーダー導入することにより、
「人件費削減」や「回転率向上」など、メリットが大きい業態は以下のような業態があります。
| モバイルオーダー導入がオススメな業態 | 理由 |
|---|---|
| 居酒屋 | 注文回数が多く、スタッフが注文を取りに行く回数を減らせる |
| 焼肉店 | 追加注文が多く、客単価アップも期待できる |
| カフェ | テイクアウト予約や事前決済との相性が良い |
| ファストフード | 回転率向上に効果的 |
| フードコート | 人件費削減と行列緩和につながる |
モバイルオーダー導入を慎重に考えたほうがいい店

逆にモバイルオーダー導入するにあたって、しっかりと検討をした方がいい店舗は、以下のようなお店です。
| 業態 | 理由 |
|---|---|
| 個人喫茶店 | お客様との会話や接客が価値になる |
| 高級レストラン | スタッフの提案や接客が重要 |
| 高齢者が多い店 | スマホ注文に抵抗がある場合がある |
| コース料理中心の店 | 注文回数が少なく効果を感じにくい |
| 小規模店(席数10席前後) | オペレーションによっては導入効果が小さい |
モバイルオーダーだけでは不十分。POSレジ連携が重要

モバイルオーダーを導入するなら、POSレジとの連携はほぼ必須です。
なぜなら…
- 売上管理
- 注文管理
- 在庫管理
- 顧客分析
飲食店で必要不可欠な数値管理を一元化できるからです。
逆にモバイルオーダーだけを導入すると、「注文は楽になったけど、管理が複雑になった」という失敗もあります。
POSレジについてですが、モバイルオーダーと連携できるものとできないものがあるので、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
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まとめ
飲食店で12年以上働いてきて日々感じている事ですが、
実際に現場を楽にするのは“システム”そのものではなく、
「店に合った仕組みを選ぶこと」です。
モバイルオーダーは、合う店なら大きな武器になり、必要な人数の削減から利益化など、メリットが大きいです。
しかし、人との会話や接客が価値になる店では、無理に導入する必要はありません。
流行だから導入するのではなく、「自店のお客様にとって本当に便利なのか?」という視点で判断するべきです。
それが、モバイルオーダー導入で失敗しない一番のポイントだと思います。


