モバイルオーダー導入後にスタッフの不満が増える5つの原因|現場で起きる問題と対策を解説

モバイルオーダー導入後にスタッフの不満が増える原因を解説

人手不足対策や業務効率化を目的に、モバイルオーダーを導入する飲食店が増えています。

経営者からすると、

  • 注文業務を削減できる
  • 人件費を抑えられる
  • 注文ミスを減らせる

といったメリットが期待できます。

しかし実際の現場では…

「導入してから逆に大変になった」

「スタッフの不満が増えた」

という声が出ることも少なくありません。

私自身、飲食業界で12年以上、店長やマネージャーとして複数の店舗運営に携わってきましたが、システム導入そのものが問題ではなく、運用方法によって「現場の評価」は大きく変わるものだと感じております。

この記事では、モバイルオーダー導入後にスタッフの不満が増える原因と、その対策について解説します。

なぜモバイルオーダーで不満が出るのか?

経営者は「注文を取る仕事が減るから楽になる」と考えがちです。

しかし現場スタッフから見ると、単純に仕事が減るわけではありません。

注文業務が減った代わりに、新たな業務や負担が発生するケースがあります。

そのギャップが不満につながるというわけです。

原因① お客様からの質問対応が増える

モバイルオーダー導入後、現場ではお客様から以下のような質問が必ず増えます。

「注文方法が分からない」
「QRコードが読み込めない」
「注文が送信できない」

特に客層が高齢のお店”や“初来店のお客様”が多い店舗では頻繁に発生します。

結果として、スタッフは注文を取る業務が減る代わりに、
「システム説明」を行う業務が増えます。

原因② 注文が一気に流れてくる

従来はスタッフが注文を受けることで、
オーダーが被らない“自然な調整”ができていました。

しかしながらモバイルオーダーでは、

①お客様自身で注文

②POSなどシステムを経由

③キッチンで注文伝票発行

という流れになります。

するとピークタイムに注文が集中し、

  • ドリンク作成
  • 配膳
  • 調理補助

オーダーが固まってくることで、一気に忙しくなります。

スタッフからすると、「注文を取らなくなったのに余裕はない」という状況になる危険性もあるというわけです。

原因③ 配膳業務が増える

注文数が増えることで、配膳回数も増えるケースがあります。

例えば居酒屋では、お客様が気軽に追加注文できるため、
“少量の注文頻度”が増加します。

  • 客席を行き来する回数が増える
  • 配膳効率が悪くなる

結果として、業務量が増えてしまう問題が発生する可能性があります。

原因④ 現場の意見を聞かずに導入した

DX導入でよくある失敗ですが、経営目線と現場目線での齟齬が、不平不満につながるケースです。

「便利そうだから」

「人件費削減になるから」

という理由で導入を決定し、“現場への説明”や“意見収集”を十分に行わずに決めると失敗しやすいです。

結果、スタッフは「また仕事が増えた」と感じやすくなります。

原因⑤ 人員を減らしすぎた

よくある失敗パターンですが、モバイルオーダー導入後、
すぐにシフトを削減する店舗があります。

モバイルオーダーは注文の業務は削減できますが、以下の業務は残ったままになります。

  • 配膳
  • 下膳
  • 案内
  • 会計対応

その状態で人員を急に削ってしまうと、切り替わったオペレーションに慣れていない、スタッフへの負担が増加します。

結果として離職につながることもあり、再度人員補強のための求人費や教育コストがかさむことも少なくありません。

スタッフ不満が多い店舗の共通点

実際の現場を見ると、不満が多い店舗には共通点があります。

それは「システム導入=人件費削減」と考えていることです。

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モバイルオーダーは人を減らすためではなく、
①現場オペレーションの緩和
②生産性を高める仕組み

という認識を持ち、現場へ共有することが重要だと感じています。

スタッフから評価される店舗の特徴

一方で、モバイルオーダーが好評な店舗もあります。

その特徴は以下の通りです。

成功する店舗の取り組み現場で起こる変化
導入前に研修を実施する操作方法だけでなく導入目的も共有することで、スタッフが「やらされ感」を持ちにくくなり、導入への協力が得られる。
運用が安定するまで人員を減らさないシステムトラブルやオペレーション変更にも余裕を持って対応でき、現場の混乱や離職リスクを防げる。
店舗全体のオペレーションを見直す配膳動線や役割分担まで改善することで、モバイルオーダーの効果を最大限に活かせる。
スタッフの意見を改善に反映する現場ならではの課題を早期に解決でき、使いやすい仕組みへ改善されるため満足度が高まる。

人件費削減”ではなく“接客品質向上”を目的に、導入するのもおすすめです。

理由は、空いた時間を接客や清掃、商品提供の品質向上に使えるため、“CS(お客様満足度)”と“ES(スタッフ満足度)”の両方が向上するためです。

モバイルオーダー導入で失敗しないためのポイント

導入前には以下を確認しましょう。

□ 客層はスマホ注文に慣れているか

□ 厨房は注文増加に対応できるか

□ 配膳体制は十分か

□ POSレジと連携できるか

□ スタッフ教育の時間を確保できるか

これらを確認することで導入後の不満を大幅に減らせます。

モバイルオーダーは悪いシステムではない

誤解してほしくないのは、
モバイルオーダー自体が悪いわけではないということです。

実際に、多くの店舗ではモバイルオーダー導入後…

  1. 人件費改善
  2. 客単価向上
  3. 注文ミス削減

などの効果を出している店舗も多くあります。

重要なのは、現場の運営に合わせて導入することです。

▶以下、実際に人件費がどのぐらい削減できるのか、
私の実体験をもとに詳しくまとめた記事です。

モバイルオーダーで人件費は削減できる?効果・削減額の目安と失敗事例を解説
まず結論からいうと、実際の飲食店では、 1〜8%程度の人件費削減が現実的な目安になります。 規模間や業態、お店によって差は生じてしまうものの、 概ね以下のような数値感です。

まとめ

モバイルオーダー導入後にスタッフ不満が増える原因は、

システムそのものではなく運用方法にあります。

  • お客様対応の増加
  • 注文集中
  • 配膳負荷増加
  • 人員削減
  • 現場との認識ギャップ

成功している店舗は、システム導入だけでなく、スタッフ教育やオペレーション改善にも取り組んでいます。

これからモバイルオーダーを導入する場合は、
「人を減らすため」ではなく「店舗全体の生産性を高めるため」という視点で活用することが重要です。

▶モバイルオーダーが必要なお店、不要なお店について、
詳しくまとめた記事もよければ参考にしてみてください。
飲食店にモバイルオーダーは必要?導入すべき店・不要な店
モバイルオーダーを導入して、実際に効果が期待できる店舗について解説していきます。 1. 回転率を重視する店 モバイルオーダーと相性が良いのは、回転率重視の店舗です。 「スタッフの呼び出し」や「注文待ち」、また「会計渋滞」による時間のロスを軽減することにより、売上に効果が期待できる業態は以下のような店舗になります。
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