採用コストをかけても成果が出ない店の共通点|飲食店の人手不足が解決しない本当の理由

採用コストをかけても成果が出ない飲食店の共通点

「求人広告に毎月何十万円も使っている」

「Indeedに掲載しても応募が来ない」

「採用できてもすぐ辞めてしまう」

飲食店経営者や店長からよく聞く悩みです。

近年は人材不足の影響もあり、多くの企業が採用費を増やしています。

しかし、採用コストをかければ人材問題が解決するとは限りません。

実際に私は飲食業界で12年以上、店長やエリアマネージャーとして採用や人材育成に携わってきました。

その中で感じるのは、

採用が成功する店舗と失敗する店舗には明確な違いがある

ということです。

そしてその差は、求人媒体や広告費ではなく店舗運営そのものにあります。

この記事では、採用コストをかけても成果が出ない飲食店の共通点について、現場経験を交えながら解説します。

飲食店の求人媒体について

まず初めに、多種多様な求人媒体があるので、
それぞれの強みについて紹介しておきます。

求人媒体強み向いている採用
Indeed求職者数が多く、無料掲載も可能アルバイト・正社員
求人ボックス検索流入が多く、費用を抑えやすいアルバイト・正社員
スタンバイYahoo!ユーザーへの露出が期待できる幅広い職種に対応
タウンワーク認知度が高く応募が集まりやすいアルバイト・正社員
バイトル動画・職場写真で雰囲気を伝えやすい若年層・アルバイト
マイナビ転職若手・中途採用に強い正社員
リクナビNEXT経験者・即戦力人材が多い正社員・管理職
dodaスカウト機能が充実店長・本部社員
エン転職社風や働く環境を伝えやすい定着を重視した採用

飲食店で特に利用される媒体については以下の5つです。

Indeed

最も利用者数が多く、多くの求人サイトと連携しています。

タウンワーク

学生・主婦・フリーターの応募が多いです。

バイトル

若年層への訴求力が高く、動画掲載が可能です。
反面、面接者がよく飛びます。

求人ボックス

クリック単価が比較的安く、
費用対効果が高いケースがあります。

リクナビNEXT

正社員・経験者採用に強く、幅広い職種で利用されています。

飲食店特化型の求人媒体について

続いてスカウト費用など多少高額なものも多い、
【飲食店特化】の求人についても紹介しておきます。

求人媒体強み向いている採用
求人飲食店ドットコム飲食業界最大級。経験者・店長候補・料理人の採用に強い正社員・経験者
グルメキャリー料理長・店長・独立志向の人材が多い管理職・経験者
クックビズ飲食業界専門の転職支援。スカウト機能も充実正社員・店長・料理長
食ジョブ関西エリアに強く、飲食店専門アルバイト・正社員
飲食店求人ナビ中小飲食店の掲載も多い正社員・アルバイト
ジョブレストラン外食・ホテル・ブライダル業界まで対応正社員・管理職
cook+biz(クックビズ)キャリアアップ転職に強い店長・料理長・本部職

以上がよく飲食店で使用されている、求人媒体になります。

採用コストが増えているのに人が足りない理由

採用をかける前に理解しておきたいのは、

採用と定着は別問題ではないということです。

年間100万円かけて10人採用しても、

8人辞めれば人手不足は解消しません。

一方で、

5人採用して4人残れば組織は安定します。

つまり、本当に見るべき数字は採用数ではなく定着率なのです。

共通点① 採用を「人数確保」と考えている

成果が出ない店舗ほど、採用を人数集めと考えています。

  1. とにかく応募を増やしたい
  2. とにかくシフトを埋めたい
  3. とにかく採用したい

という考え方です。

しかし、採用は人数ではなく相性です。

店舗文化に合わない人を採用しても長続きしません。
matsu
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面接で「自分の会社や店舗に合う人材か」を、
見極めることが大切です。

経験上、採用の時点で成功していれば、
人手不足の店舗になりにくいです。

共通点② 職場環境を改善していない

採用が苦戦する店舗で最も多い原因です。

例えば、以下のような店舗状況の場合です。

  • 店長が常に忙しい
  • 教育担当がいない
  • 人手不足が慢性化している
  • 感情的な指導がある

こうした店舗では、採用しても定着しません。

現場経験で感じたこと

私がエリアマネージャー時代に担当していた店舗でも、

毎月求人費をかけているのに、人が集まらない店がありました。

しかし実際に店舗へ入ると、新人教育が機能していなかったという経験もあります。

「初日に放置される。」

「質問しづらい。」

「誰に聞けば良いか分からない。」

当然ながら、採用できても短期間で退職してしまいます。

求人ではなく教育環境に問題があるケースです。

共通点③ 店長育成ができていない

採用成功の鍵は店長です。

なぜなら、求職者にとって最も身近な会社の顔だからです。

面接時の対応や入社後のフォローによって、定着率は大きく変わります。

【よくある失敗】
☐面接が雑
☐フォローがない
☐面談をしない
☐評価基準が不明確

こうした店舗は採用コストだけが増えていきます。

▶以下、店長が育たない企業の特徴についてです。

なぜ店長が育たないのか?飲食店がやりがちな5つのNG習慣を解説
成果を出している企業は、継続的に優秀な店長を輩出しています。 一方で、社員と同じレベルの店長しかいない企業もあります。 その差は、育成の仕組みにあります。 NG習慣① 店長の仕事を教えていない 例えば、優秀なスタッフを店長に昇格させたものの、 「管理業務を教えていない状態」などがあります。

共通点④ 求人内容と現場が一致していない

最近の求職者は情報収集をしています。

求人票だけではなく、企業サイトはもちろん、口コミサイトやSNSなど、幅広く情報を集めてから応募します。

例えば、お店のSNSでは、「働きやすい環境」のような宣伝をしているのにもかかわらず、

いざ勤務してみると、現場は慢性的な残業状態。

これでは入社前の期待感の落差から、
モチベーションが下がり信頼を失います。

共通点⑤ 採用後の仕組みがない

採用成功店舗は、採用後の流れまで設計しています。

  • 初日教育
  • 定期面談
  • フォローアップ評価制度

反対に、採用した後は現場任せの店舗もあります。

  1. 教育を現場任せにしている
  2. マニュアルや教育基準がない
  3. 店長が忙しく新人を見られない
  4. フォローや面談を実施していない
  5. 新人が一人で悩みやすい環境になっている

この場合、属人化が進み、店舗ごとに粗が生じてしまいます。

成果が出る店舗は何が違うのか

採用に強い店舗ほど、実は採用活動以外に力を入れています。

項目取り組み内容効果
定着率改善辞めない環境づくり採用コストを抑えられる
教育制度新人が安心して働ける仕組みづくり早期離職を防げる
店長育成現場マネジメント力の向上働きやすい職場になる
評価制度頑張りが見える仕組みづくりモチベーション・定着率が向上

つまり、採用ではなく組織づくりを行い改善しています。

▶仕組み化についてもっと知りたい方へ。

人材不足を「仕組み」で解決している飲食店の考え方|採用だけに頼らない店舗運営とは
同じ売上規模で、 ■10人いないと回らない店舗 ■8人でも回せる店舗 では経営の安定性が大きく違います。 本当に必要なのは、「人を増やすこと」ではなく、 「少ない人数でも成果が出る仕組み」を作ることです。

採用コストを下げる最も効果的な方法

多くの経営者は、応募数を増やそうとします。

しかし現場経験から言えば、最も効果的なのは

です。

なぜなら…

アルバイトが1年長く働くだけでも、採用費や教育費は大幅に削減できます。

さらに、紹介採用や口コミ採用の可能性も増えるメリットがあります。

▶アルバイトが辞めないお店の特徴について。

なぜあの店はアルバイトが辞めないのか?定着率が高い飲食店の特徴を解説
経営者の中には、 「時給を上げれば辞めない」と考える方もいます。 もちろん給与は重要ですが、しかし実際の退職理由を聞くと、 人間関係 店長との相性 成長実感がない シフトへの不満 などが多く挙がります。 中でも人間関係については、飲食店だけでなく、他の業態を含めて退職理由NO.1です。

エリアマネージャー経験者が感じる本当の原因

採用に成功している企業を見ると、
共通していることがあります。

それは、「採用担当が優秀だから」ではありません。

店舗そのものが働きやすいのです。

  • 人が辞めない。
  • 人が紹介してくれる。
  • 人が成長する。

結果として採用も成功しています。

反対に、組織課題を放置したまま求人費だけ増やしても結果は変わりません。

▶社員が辞める理由と、改善方法について。

なぜ飲食店の正社員は辞めるのか?定着しない本当の理由を現場経験から解説
飲食業に限らず、どの業種でも“退職理由NO.1”に上がってくるのが人間関係です。 実際には、教育・マネジメント・労働環境など、店舗運営の仕組みで改善できる要因が多くを占めています。 では、社員が定着する店舗にはどんな特徴があるのでしょうか。

まとめ

採用コストをかけても成果が出ない飲食店には、

  • 人数だけを追っている
  • 職場環境を改善していない
  • 店長育成不足
  • 求人内容と実態のズレ
  • 採用後の仕組み不足

という共通点があります。

一方で、採用に強い店舗は、

定着率や教育制度、店長育成に力を入れています。

これからの飲食店経営では…

「どう採用するか」だけではなく、

「なぜ働き続けたいと思われるか」が重要になります。

採用コストを増やす前に、まずは店舗運営そのものを見直してみることが、人材不足解消への近道なのです。

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