近年、多くの飲食店でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。
- POSレジ
- モバイルオーダー
- キャッシュレス決済
- シフト管理システム
- 在庫管理システム
などを導入する店舗も増えました。
しかしながら現実問題として…
というケースも少なくありません。
私自身、飲食業界で12年以上、店長・マネージャー・店舗運営に携わってきましたが、DXに失敗する店舗には共通点があります。
それは、「DX=システム導入」だと思っていることです。
この記事では、飲食店DXがうまくいかない本当の理由と、成功する店舗との違いを解説します。
飲食店DXとは何か?

まず誤解されやすいポイントから説明します。
DXとは単にシステムを導入することではありません。
本来のDXとは、
「デジタルを活用して店舗運営を改善すること」です。
- 注文業務を効率化する
- 売上分析を強化する
- 人材不足を補う
- 利益率を改善する
上記のような経営課題を解決するための手段であり、
システム導入そのものが目的ではありません。
飲食店DXが失敗する7つの理由

自店舗のDX化を進めるのであれば、
事前に失敗する要因について知っておくべきです。
①課題が明確になっていない
最も多い失敗談として、
そもそも目的が無く導入を進めるパターンがあります。
「周りが導入しているから」
「営業担当に勧められたから」
流行っているからという理由で、
特に何も考えずに導入すると失敗します。
理由ですが、自店舗の改善したいところによって、
必要なシステムは変わるからです。
- 人件費が高いのか
- 客単価が低いのか
- 回転率が悪いのか
まずは課題を整理するところから始めないと、やみくもに導入しても成果は出ません。
②現場が理解していない
経営陣だけが盛り上がり、現場スタッフはよく分かっていない…
これはよくある失敗パターンです。
結果として、
- 使い方を覚えない
- 運用ルールが曖昧
- 結局元のやり方に戻る
という状態になります。
▶モバイルオーダー導入で、スタッフの不満が増える要因について、気になる方は以下の記事も参考にしてみてください。

③システムが店舗規模に合っていない
小規模店に高機能システムを入れるケースがあります。
例えば…「客席数15席の店舗」に、「大規模チェーン向けの高額システム」を導入しても効果は限定的です。
改善したい部分が改善できず、逆に管理コストだけ増えることもあります。
④POSレジと連携していない
飲食店DXで最も重要なのはデータ連携です。
モバイルオーダー
↓
POSレジ
↓
売上分析
までつながっていなければ、業務効率化の効果は半減します。
システムがバラバラだと、現場の負担も増えてしまうのは注意が必要です。
▶以下、モバイルオーダーとPOSレジを連携させるべき理由について解説した記事です。

⑤人件費削減だけを目的にしている
DXを導入する理由として、
「人件費を下げたい」という考えは間違いではありません。
しかし、それだけを目的にすると失敗します。
なぜなら、
- 配膳
- バッシング
- 接客 など。
上記のような人が行うべき業務は残るからです。
結果として、“期待していたほど削減できない”という不満につながります。
▶おすすめ記事①

▶おすすめ記事②

⑥数字を見ていない
POSレジや分析ツールを導入しても、
データを活用しなければ意味がありません。
- 商品別売上
- 客単価
- 来店時間帯
- 原価率
上記のような数値を確認して、初めて改善につながります。
⑦導入して終わりになってしまっている
DXは導入がスタートという認識が必要です。
失敗する店舗は、導入後の改善を行いません。
- 運用改善
- メニュー改善
- 人員配置改善 など。
成功している店舗ほど数字を見て、
トライ&エラーを繰り返しながら店舗状況改善に努めています。
成功する飲食店DXの共通点

成功する店舗は、現場目線で考えていることが挙げられます。
特に「スタッフが使いやすいか」を重視し、導入を決めと失敗しにくいです。
また小さく始めるというのもポイントの一つ。
例えば、
①POSレジ導入
↓
②キャッシュレス導入
↓
③モバイルオーダー導入
のように段階的に進める方が、現場が混乱しにくく成功しやすいのが特徴です。

数ある飲食企業を見てきましたが、成功している飲食店は、今まで“感覚”でやっていたことを、しっかりと数字で判断できる人材が多いと感じています。
【FL(原価人件費)】を日々追いながら、
人員や発注量の調整ができる責任者は最低限必要です。
また店舗の「客単価」や「回転率」を数字で判断しながらPRをうつ店長が多ければ多いほど、企業は潤います。
そのあたりも含めて、DX化による数値化と分析は、複数店舗であればあるほど必須になると感じています。
飲食店が最初に取り組むべきDXは?

現場経験上、最初におすすめなのはPOSレジです。
理由は、
- 売上管理
- 分析
- 会計効率化
など多くの改善につながるためです。
その後、「キャッシュレス決済」「モバイルオーダー」などへ、広げていくのがおすすめです。
▶以下、POSレジの選び方について解説した記事です。

DXで成功している店舗は何が違うのか

成功している店舗は、「システムを入れること」ではなく、
「店舗運営を改善すること」を目的にしています。
そのため、導入後も継続的に改善を繰り返しています。
一方、失敗する店舗はシステム導入がゴールになっています。
ここの認識の違いが、成功か失敗かを分ける大きな違いです。
まとめ
本来DXは、「人件費改善」「売上向上」「業務効率化」を実現するための手段です。
成功する店舗は…
■課題を明確にする
↓
■現場を巻き込む
↓
■数字を見ながら改善する
を続けています。
これからDXを進めるなら、まずは自店舗の課題を整理し、POSレジやモバイルオーダーなどのシステム導入が目的ではなく、
店舗状況を改善する手段として活用することが重要です。



「システムを入れたのに現場が楽にならない」
「人件費が下がらない」
「結局使わなくなった」