飲食店のPOPは、単に「おすすめ商品」を紹介するためのものではありません。
うまく設計すれば…
- もう一品注文してもらう
- より高い商品を選んでもらう
- セット注文を増やす
- デザートやドリンクを追加してもらう
- 店のおすすめ商品を注文してもらう
といった、客単価アップにつながる「注文のきっかけ」をつくれます。
一方で…
「おすすめ!」
「大人気!」
「ぜひ食べてください!」
と書いて写真を貼っただけでは、思ったほど注文につながらないこともあります。
重要なのは、POPを「広告」ではなく、お客様の選択を後押しする仕組みとして考えることです。
この記事では、飲食店で実際に活用しやすいPOPの考え方から、客単価アップにつなげる具体的な作り方、失敗しやすいポイントまで解説します。
飲食店のPOPは「売る」より「選びやすくする」

POPを作るときに最初に考えたいのが、
「どうやって売るか」ではなく「お客様がどう選ぶか」
という視点です。
お客様はメニューを見たとき、「一番利益率の高い商品」を探しているわけではありません。
- 何がおすすめなのか
- どれを選べばいいのか
- 価格に見合う商品なのか
- 自分に合っているのか
- 追加する価値があるのか
といった情報を見ながら注文を決めています。
つまりPOPの役割は、
「注文してください」と迫ることではなく、
「これなら頼んでみよう」と思える理由をつくることです。
ここを理解すると、POPの作り方が大きく変わります。
売れるPOPを作る5つの基本

客単価アップを目的にPOPを作るなら、次の5つを意識します。
| ポイント | 目的 |
|---|---|
| ① 誰におすすめなのかを明確にする | 自分向けの商品だと認識してもらう |
| ② 商品の魅力を1つに絞る | 短時間で価値を伝える |
| ③ 価格だけでなく理由を伝える | 「高い・安い」だけの判断を避ける |
| ④ 注文するタイミングを作る | 購買行動につなげる |
| ⑤ 数字で効果を確認する | 売れるPOPへ改善する |
特に重要なのが、「情報を詰め込みすぎない」ことです。
POPだからといって、
「国産○○を使用」
「職人が手作り」
「おすすめNo.1」
「期間限定」
「数量限定」
「今だけ○○円」
など、あれもこれも伝えようとすると、結局何を伝えたいのか分からなくなります。
POP1枚につき、一番伝えたいことを1つ決める。
これだけでも見やすさは大きく変わります。
①「誰におすすめなのか」を明確にする
売れるPOPは、商品の説明から始めません。
と思ってもらうところから始まります。
例えば、同じデザートでも…
普通のPOPの場合
自家製プリン
480円だけでは、商品情報しかありません。
ターゲットを入れたPOP
【食後にちょっと甘いものが欲しい方へ】
なめらか自家製プリン
480円とすると、「自分が頼む理由」が生まれます。
ほかにも、
- 「しっかり食べたい方に」
- 「あと一品ほしい方に」
- 「2人でシェアするなら」
- 「食後におすすめ」
- 「仕事終わりのご褒美に」
- 「初めてならまずはこちら」
など、利用シーンを言語化する方法があります。
商品そのものを説明するのではなく、
「どんな人・どんな場面に合う商品なのか」
を伝えることがポイントです。
② 商品の魅力は「1つ」に絞る
POPでありがちな失敗が、商品の魅力を全部伝えようとすることです。
■国産豚を使用
■自家製ソース
■低温調理
■店長おすすめ
■人気No.1
■数量限定
■ボリューム満点
■お酒にも合います
これだけ情報が並んでいると、目には入っても重要なポイントが分かりません。
POPでは、「この商品を注文する理由は何か?」を1つ決めます。
【肉をしっかり食べたい日に。】
国産黒毛和牛の厚切りステーキ
2,580円商品の特徴を全部説明するのではなく、最も注文につながりそうな価値を一つ前面に出す。
✓これがPOPの基本です。
③「価格」ではなく「価格の理由」を伝える
価格だけを大きく表示すると、
お客様はどうしても価格そのものを比較します。
デザート
580円だけでは、「580円か……」で終わる可能性があります。
【注文を受けてから仕上げる濃厚チーズケーキ】
580円
この場合は、価格に対する情報が増えます。
さらに…
食後の満足感をもう一段上げたい方に。
【店内仕込みの濃厚チーズケーキ】
680円
とすれば、単なる商品価格ではなく、「追加する価値」を伝えられます。
※ただし、「最高級」「絶対お得」「地域No.1」など、根拠のない強い表現には注意が必要です。
店内メニューやPOPも景品表示法の対象となり、品質や価格について実際より優れている・有利であると誤認させる表示は禁止されています。
④「注文するタイミング」に合わせてPOPを置く
同じPOPでも、置く場所とタイミングによって役割が変わります。
例えば、デザートを販売する場合、入口に置くよりも、「食事中・食後に見える場所」に置いたほうが注文につながりやすいケースがあります。
タイミング別のPOP
| タイミング | 狙う商品 | POPの例 |
|---|---|---|
| 入店時 | おすすめ料理 | 「初めてならこちら」 |
| 着席直後 | セット・追加商品 | 「+300円でドリンクセット」 |
| 注文時 | アップセル | 「こちらは大盛りもできます」 |
| 料理提供時 | サイドメニュー | 「一緒に○○はいかがですか?」 |
| 食後 | デザート | 「食後にもう一品」 |
| 会計前 | テイクアウト | 「お持ち帰りできます」 |
ここで重要なのは、POPを置くこと自体を目的にしないことです。
「どの商品を、どのタイミングで追加してもらいたいのか」
を決めてから設置します。
⑤ POPは「客単価」だけで判断しない
POPを設置したら、「売れた・売れなかった」だけで判断するのはもったいありません。
例えば、セット商品を訴求した場合、
- セット注文率
- 対象商品の注文数
- 客単価
- 平均注文点数
- 粗利益
- 時間帯別注文率
などを確認します。
| 指標 | POP設置前 | POP設置後 |
|---|---|---|
| 客単価 | 1,500円 | 1,650円 |
| 平均注文点数 | 1.5品 | 1.8品 |
| 対象商品の注文数 | 100食 | 135食 |
| 対象商品の注文率 | 10% | 13.5% |
| セット注文率 | 20% | 28% |
| 1人あたり粗利益 | 450円 | 500円 |
数値化することによって、POPで「追加注文」が増えた可能性が見えてきます。
天候・曜日・客層・キャンペーンなど他の要因もあるため、POPだけの効果と断定するのではなく、一定期間で比較することが重要です。客単価アップにつながるPOPは「3つの方向」で考える

POPを使った客単価アップには、大きく3つの方向があります。
① アップセル
より高い商品を選んでもらう方法です。
通常サイズ 980円
おすすめ!特製サイズ 1,280円
単純に高い商品を勧めるのではなく、価格差に対する価値を伝えます。
② クロスセル
メイン商品に別の商品を追加してもらう方法です。
ハンバーグ:980円
+300円でサラダ&ドリンクセット
「単品を注文する」という選択肢に、「セットにする」という選択肢を加えます。
③ 追加注文
食事とは別に、もう一品注文してもらう方法です。
【あと一品におすすめ】
自家製ポテト 480円
客単価を上げる場合、単純な値上げだけでなく、
「注文点数を増やす」という考え方も重要です。
「松竹梅の法則」をPOPに活用する

3つの商品を並べることで、お客様が比較しやすくなるのと同時に、真ん中の商品に注文が偏るという心理のことです。
| 項目 | 商品 | 価格 |
|---|---|---|
| 梅 | お手軽コース | 2,000円 |
| 竹 | 満足コース | 3,000円 |
| 松 | ご褒美コース | 4,500円 |
この時に真ん中のコースに「一番人気!」など、実際の販売実績に基づいた表示を加えることで、より出数が増える可能性が期待できます。
ただし、「人気No.1」「満足度No.1」などの表示は、合理的な根拠が必要です。消費者庁も、根拠のないNo.1表示などは問題となる可能性があるとしています。
重要なのは、3つの選択肢を作ることではなく、
「比較しやすい状態」を作ることです。
アンカリングをPOPに活用する

価格の比較対象を作ることで、
商品の価格を判断しやすくする方法もあります。
ランチセット:1,800円
(サラダ+デザート付き)
単品のみ:1,500円
という表示です。
「+300円ならセットにしよう」と考えるきっかけになります。
ただし、実際には通常販売していない価格を「通常価格」として表示するなど、実態と異なる比較表示は避けなければなりません。
価格表示は、消費者が合理的に判断できるよう、
実際の取引条件を正確に伝えることが重要です。
希少性の原理を扱う注意点

飲食店のPOPでよく使われるのが、以下のような文言です。
- 本日限定
- 数量限定
- 期間限定
- 今だけ
- 季節限定
これらは商品の魅力を伝える強い手段になり、
購買に繋がりやすいフレーズです。
しかし、毎日「本日限定」のような使い方をすると、
表示の信頼性を損ないます。
「限定」という言葉を使うなら、
- 本当に数量が限られている
- 本当に期間が決まっている
- 本当に提供条件が限定されている
など、実態と一致させることが重要です。
POPは短期的に注文を増やすだけではなく、「この店の表示は信用できる」という状態を作ることも大切です。
売れないPOPにありがちな5つの失敗

POPは大小あれど製作コストや人員コストがかかります。
効果が高いものに仕上げないと販促費がかさんでしまうので、以下の失敗するパターンは注意が必要です。
① 情報を詰め込みすぎる
伝えたいことが多すぎると、何が重要なのか分からなくなります。
改善策
「このPOPを見た人に、何をしてほしいのか?」を一つに絞ることが重要です。
② 商品名と価格しか書いていない
料理写真と商品名、価格だけでは、注文する理由が弱いことがあります。
改善策
「誰におすすめなのか」
「どんなときに食べてほしいのか」
「何が特徴なのか」
のどれかを付け加えることで、販促効果が高まります。
③ どの商品もおすすめしている
店内のPOPすべてに、
「おすすめ!」
「イチオシ!」
と書いていたら、結局どれがおすすめなのか分かりません。
おすすめを絞ることも販促です。
④ 店員から見た「売りたい商品」になっている
お店が売りたい商品と、お客様が注文したい商品は必ずしも同じではありません。
「原価率が低いから売りたい」だけでは、お客様の注文理由になりません。
お客様にとってのメリットを言葉にすることが重要です。
⑤ POPを作って終わっている
POPは完成品ではありません。
むしろ、設置 → 計測 → 改善を繰り返す販促ツールです。
POPは「A/Bテスト」すると強くなる

同じ商品でも、POPの文章を変えるだけで反応が変わる可能性があります。
POPの文章を変えて、出数を把握することで、次のPOPへ活かすことができます。
A
店長おすすめ!
自家製プリン 480円
B
頑張った自分へご褒美。
なめらか自家製プリン 480円
C
手土産に喜ばれる一品
自家製濃厚プリン 480円
例えば上記の3種類を期間ごとに変更し、どのPOPのときに注文率が高かったかを確認します。
感覚だけで、「このPOPのほうが良さそう」と判断するのではなく、数字を見ながら改善していくことがポイントです。
売れるPOPの極意

飲食業では食事を提供するだけではなく、娯楽や体験を提供する場へと変わってきています。
POPを作る上で重要なのは、「なぜその商品を買うのか」というお客様の心理についてです。
| お客様が商品を買う理由 | お客様の心理 | 飲食店での具体例 |
|---|---|---|
| 必要だから | 「今これが必要」 | お腹が空いたので食事をする |
| 欲しいから | 「これが食べたい」 | SNSで見たスイーツを食べたい |
| おいしそうだから | 「食べてみたい」 | 写真・盛り付け・香りに惹かれる |
| お得だから | 「この価格なら買いたい」 | セット割、期間限定価格 |
| 安心だから | 「失敗したくない」 | 人気No.1、口コミ評価、定番商品 |
| おすすめされたから | 「それなら頼んでみよう」 | スタッフからのおすすめ |
| 限定だから | 「今しか買えない」 | 期間限定、数量限定 |
| 比較して魅力的だから | 「こっちの方が良さそう」 | 松竹梅の3価格帯 |
| 自分へのご褒美だから | 「今日はちょっと贅沢したい」 | 高価格帯のパフェ、コース料理 |
| 誰かと楽しみたいから | 「一緒に楽しみたい」 | シェアメニュー、記念日コース |
| 便利だから | 「楽・早い・手間がない」 | テイクアウト、モバイルオーダー |
| 体験したいから | 「食べる以外の価値がある」 | 目の前で仕上げる料理、映える商品 |
| 話題だから | 「みんなが知っている」 | SNSで話題の商品、人気店の商品 |
| 自分に合っているから | 「自分向けの商品だ」 | ヘルシー、ボリューム重視、辛さ調整 |
| 感情を満たしたいから | 「楽しい・嬉しい・癒されたい」 | カフェでゆっくり過ごす、デザートを楽しむ |
まずはPRしたい商品がどういう状況に当てはまるのかについて考えます。
ここを押さえるか否かで、「単なる商品紹介」と「販促POP」が明確に分かれます。
商品の“価値”とPOPへの転換
次に売りたい商品の“価値”を見出して、どこをアピールすれば一番いいのかを考えましょう。

1つの商品ごとに、様々な面から見た価値があります。
お客様の心理に合わせて、どこの部分を訴求するPOPを作るのかを決めることが重要です。
そこまで決まれば、後は《興味 → 商品理解 → 価値 → 価格 → 注文》の流れでPOPを作成していきます。
① お客様の《興味》を引くキャッチコピー
キャッチコピーを決めます。
| タイプ | キャッチコピー例 | 狙う心理 |
|---|---|---|
| 限定感 | 「今だけ。」 | 希少性 |
| 「期間限定、登場。」 | 今しかない | |
| 「なくなり次第終了。」 | 急がなきゃ | |
| 好奇心 | 「一口食べたら、わかります。」 | 確かめたい |
| 「なぜ、これが人気なのか。」 | 理由を知りたい | |
| 「想像を超える○○。」 | 気になる | |
| 「実は、○○なんです。」 | 知りたい | |
| お得感 | 「この価格で、ここまで。」 | お得 |
| 「迷ったら、これ。」 | 選びやすい | |
| 「一番人気。」 | 安心して選びたい | |
| 食欲喚起 | 「香りだけで、もう食べたい。」 | 五感 |
| 「焼きたて、できました。」 | 出来立てへの欲求 | |
| 「とろける○○。」 | 食感を想像 | |
| 「最後の一口まで、幸せ。」 | 食体験 | |
| ご褒美 | 「今日は、自分にご褒美。」 | 自己報酬 |
| 「ちょっと贅沢、しませんか?」 | 贅沢欲求 | |
| 「頑張った日の○○。」 | 感情 | |
| 共感 | 「今日は料理したくない。」 | 共感 |
| 「疲れた日は、これ。」 | 課題解決 | |
| 「結局、これを頼んじゃう。」 | 共感・安心 | |
| 口コミ・人気 | 「○○店で人気No.1。」 | 社会的証明 |
| 「リピート率○%。」 | 他人の評価 | |
| 「注文の○人に1人が選んでいます。」 | 人気 | |
| 比較 | 「普通の○○では、物足りない方へ。」 | 上位欲求 |
| 「いつもの○○を、ちょっと贅沢に。」 | アップセル | |
| 問いかけ | 「あなたはどっち派?」 | 参加したくなる |
| 「どれから食べる?」 | 選択したくなる | |
| 「○○好きなら、一度は。」 | 自分事化 |
↓
② 商品名《商品説明》
次にPOPにする商品についてです。
| 商品 | 分かりやすい伝え方 |
|---|---|
| ハンバーグ | 国産牛の手ごねハンバーグ |
| パスタ | 北海道産生クリームの濃厚カルボナーラ |
| 唐揚げ | 国産鶏の自家製唐揚げ |
| ラーメン | 自家製チャーシューの豚骨ラーメン |
| カレー | 20種類のスパイスを使った自家製カレー |
| ピザ | 店内で焼き上げる窯焼きマルゲリータ |
| パフェ | 季節のいちごを使った特製パフェ |
| プリン | 店内仕込みの濃厚カスタードプリン |
| 寿司 | 市場直送の旬の鮮魚を使った握り寿司 |
| 焼き鳥 | 国産鶏を使用した炭火焼き鳥 |
| 定食 | 大分県産鶏のチキン南蛮定食 |
| サンドイッチ | 自家製ローストビーフサンド |
| ドリンク | 自家製レモンシロップのレモネード |
| スープ | 北海道産とうもろこしの濃厚ポタージュ |
↓
③ 商品の魅力《商品価値》
| 魅力のポイント | アピール例 |
|---|---|
| 素材へのこだわり | 国産牛を使用、北海道産○○を使用 |
| 産地 | ○○県産、地元産、産地直送 |
| 自家製・手作り | 自家製ソース、手仕込み、店内調理 |
| 製法 | 炭火焼き、窯焼き、低温調理 |
| 鮮度 | 朝仕入れ、当日仕込み、注文後に調理 |
| 味 | 濃厚、あっさり、香ばしい、甘酸っぱい |
| 食感 | サクサク、とろとろ、もちもち、ジューシー |
| ボリューム | 肉厚、大盛り、具材たっぷり |
| 希少性 | 希少部位、数量限定、限定入荷 |
| 専門性 | 職人が仕上げる、○○専門店の味 |
| こだわり | 何度も試作した、自店独自の製法 |
| 見た目 | 彩りが良い、インパクトがある、映える |
| できたて感 | 焼きたて、揚げたて、出来立て |
| 季節感 | 旬の食材、季節限定 |
| ストーリー | 地元食材を使う理由、開発した背景 |
↓
④ 価格
税込価格を分かりやすく表示します。
↓
⑤ 注文を促す一言
「食後におすすめ」
「+300円でセットにできます」
「2名様でのシェアにもおすすめ」
「焼きたてをご賞味ください」
「ご一緒にこちらもいかがでしょうか」
POP作成に困ったときは、上記の流れでつくるのもオススメです。
食後に、もう一つの楽しみを。
自家製濃厚チーズケーキ
店内仕込みのなめらかな口当たり
680円(税込)
+200円でコーヒーとのセットもおすすめ!
\ 迷ったら、これ! /
人気No.1!国産鶏の自家製唐揚げ
国産鶏を自家製ダレに漬け込み、
一つひとつ丁寧に揚げています。
580円(税込み)
サクサク衣の揚げたてをご賞味ください。
POPを見て買う消費者心理について

綺麗なPOPだから売れるというわけではなく、POPで「何を伝えたいのか」を明確にし、お客様が求めている価値と一致するということが、売れるPOPの根源です。

売れるPOPというのは、お客様の視点で物事を考えて、感情を動かせるかどうかで決まります。
POPを置く場所も売上を左右する

POPは「どこに置くか」まで設計すると、より効果が期待できます。
テーブル上
追加注文を狙う場所です。
→ デザート・ドリンク・サイドメニューなど。
メニューブック
比較検討中の注文を狙うと効果的です。
→ セット・アップセル商品など。
レジ周辺
会計前の追加購入を狙う「ついで買い」がメイン。
→ テイクアウト・物販品。
店頭
入店前の興味喚起を狙える場所です。
→ 看板商品・限定商品・ランチ
つまり、商品ごとにPOPの役割を変えることが重要です。
POPは「客単価アップの仕組み」の一部

客単価を上げるために、POPだけを改善しても限界があります。
- メニュー構成
- セット販売
- アップセル
- クロスセル
- スタッフの声かけ
- 商品提供時の提案
- テーブルPOP
- レジ前POP
これらを組み合わせることで、注文機会を増やせます。
| タイミング | 声かけ・POP例 | 狙い |
|---|---|---|
| 注文時 | 「ドリンクセットもお付けできます」 | セット追加・客単価アップ |
| 料理提供時 | 「食後にデザートもご用意できます」 | 食後注文のきっかけを作る |
| テーブルPOP | 「食後におすすめ」 | お客様が自分から注文しやすくする |
| 会計前 | 「人気の焼き菓子はお持ち帰りできます」 | テイクアウト・追加購入につなげる |
というように、お客様の行動に合わせて複数の接点を作る方法です。
ただし、何度も売り込めばよいわけではありません。
重要なのは、「お客様にとって役立つ提案を、適切なタイミングで行う」ことです。
POP改善で見るべき数字

POPを販促施策として運用するなら、最低限次の数字を確認します。
| 指標 | 確認すること |
|---|---|
| 対象商品の注文数 | POPで注文数が増えたか |
| 注文率 | 来店客のうち何%が注文したか |
| 客単価 | 店全体の客単価が変化したか |
| 平均注文点数 | 追加注文が増えたか |
| セット率 | セット商品の注文割合 |
| 粗利益 | 売上だけでなく利益につながったか |
「売上が増えたか」だけでなく「粗利益が増えたか」まで見ると、より経営に近い販促になります。
数値化しないと確認できない部分なので、POSレジやモバイルオーダーなどのシステムがあれば楽です。
売れるPOPを作るチェックポイント

最後に、POPを作ったら次の項目を確認してみましょう。
- 誰におすすめの商品か分かる
- 一番伝えたい魅力が明確
- 商品を注文する理由がある
- 文字が多すぎない
- 価格が分かりやすい
- 実際の内容と表示が一致している
- 注文するタイミングに設置されている
- 「おすすめ商品」が多すぎない
- 客単価や注文率を確認できる
- 一度作って終わりにしていない
特に最後の、「作って終わりにしない」ことが重要です。
POPはデザインコンテストではありません。
POPの目的は、お客様の選択を助け、店舗の売上・粗利益につなげることです。
まとめ
売れるPOPを作るために必要なのは、
派手なデザインや強い言葉だけではありません。
大切なのは、
- 「誰に」
- 「何を」
- 「なぜ注文してほしいのか」
- 「いつ伝えるのか」
を明確にすることです。
そして、POPを設置したら、
注文数 → 注文率 → 客単価 → 平均注文点数 → 粗利益という数字を確認し、改善していきます。
「おすすめ」と書くだけのPOPから、
お客様の選択を後押しするPOPへ変える。
これが、飲食店の客単価アップにつながる販促の基本です。
店内・店頭のメニューやPOPも景品表示法上の「表示」に含まれるため、料理の内容・原材料・価格・限定性などは実態に合わせて正確に表示する必要があります。
価格についても、消費者向けにあらかじめ表示する場合は税込価格の表示が基本です。





「この商品は自分に合いそう」